@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00011911, author = {隅田, 陽介}, issue = {2}, journal = {比較法雑誌}, month = {Sep}, note = {application/pdf, 近時,インサイダー取引や証券詐欺に代表されるように,法人の被用者や従業員が法令に違反して,犯罪を行うという事例が発生している。こうした場合,法人によっては,捜査機関による捜査に先立って,内部調査(internal investigation)を行うところがある。一方で,法人は被用者による犯罪の被害者であるというように考えることもできよう。そこで,近時のアメリカ合衆国では,法人が,内部調査にかかった費用を被害弁償という形で被告人である被用者に対して請求することができるかどうかということが議論されている。端的に言えば,法人の内部調査で生じた費用が18 U.S.C. §3663A(b)(4)でいう「必要(な)……その他の費用」として,被告人に対する被害弁償命令の対象に含まれるのかどうかということである。この点についてはすでにいくつかの判断が示されているのであるが,巡回区連邦控訴裁判所によって判断が分かれているのが現状である。すなわち,第2巡回区裁判所はUnited States v. Amatoにおいて,「必要(な)……その他の費用」には,弁護士費用や会計費用等法人の内部調査によって生じた費用も含まれるというように広く解釈している一方,D.C.巡回区裁判所はUnited States v. Papagnoにおいて,捜査機関の要請によるものではなく,法人が自発的に行った内部調査の費用は含まれないというように狭く解釈しているのである。そのため,当該法人が合衆国の司法制度上,どの巡回区裁判所の管轄区域に所在するかによって,被告人に言い渡される判決内容が大きく異なってしまう可能性がある。果たしてそれが公正といえるのかといった疑問が提起されているのである。  本稿はこの問題について,いくつかの判例を交えつつ検討したものである。具体的には,法人が被害弁償を請求する際の要件の他,§3663A(b)(4)について争われた二つの代表的な事例や被害弁償を肯定・否定する双方の立場の根拠等を紹介した後,結論として,立法趣旨等に鑑みるならば,現時点における同項の解釈の仕方としては,D.C.巡回区裁判所のように,限定的に狭く解釈する方が適切であると考えられることを指摘した。なお,末尾では,現在,合衆国最高裁判所で審理されているLagos v. United Statesについても触れている。}, pages = {211--249}, title = {アメリカ合衆国における法人の内部調査費用と被害弁償}, volume = {52}, year = {2018}, yomi = {スミタ, ヨウスケ} }