@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00011915, author = {西村, 暢史}, issue = {3}, journal = {比較法雑誌}, month = {Dec}, note = {application/pdf, 本稿の目的は,国際的な物流に関する価格カルテルを素材に,国内競争法の自国外の行為に対する法執行が有する問題とその意義のバランスを整える手法として,競争法適用の「地理的」な制約の重要性を明確化させることである。その際に,世界各国の大手航空会社間で行われた航空貨物サービスに関する国際的な価格カルテル事件(以下,本件とする。)を検討する。本件では,香港,シンガポール,インドネシアを出発地として,豪州内を目的地(最終目的地のみというわけではない)とする世界の大手航空会社間で行われた航空貨物サービスの燃料サーチャージ等の価格カルテルが豪州競争法に違反するか否かが問題となった。豪州最高裁判決(以下,本判決という。)は,当該カルテル行為が,取引慣行法の適用に対する「地理的」な限界を定めた要件である「豪州内の市場」における競争を実質的に制限したと認定した。  確かに,本件でカルテルの対象となったサービスは,少なくとも豪州が(最終目的地であるかどうかに関わらず)目的地として提供された航空貨物サービスである。したがって,豪州との「地理的」な関連性はあると問題なく言えそうである。それにもかかわらず,法的問題が生じる根拠は,「豪州内の市場」の解釈そのものにある。本判決は,物流事業者が提供する国境を超える輸送サービスの価格に関する国際カルテルに対して,「豪州内の市場」という豪州との「地理的」な関連性に関して,より具体的に,カルテル対象のサービスに関する需要をめぐる競争が豪州において展開されている諸事実を認定した点で特徴的かつ重要と位置付けられる。}, pages = {1--45}, title = {豪州競争法適用の「地理的」限界 : 国際カルテルと「豪州内の市場」}, volume = {52}, year = {2018}, yomi = {ニシムラ, ノブフミ} }