@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00011920, author = {石塚, 迅}, issue = {3}, journal = {比較法雑誌}, month = {Dec}, note = {application/pdf, 本論文では,中国の憲法学が「市民的公共圏」の問題とどのように向き合ってきたかを考察する。まず,中国研究および憲法学において,市民社会,公共圏,公共空間といった概念・問題がどのように扱われてきたかを概観する。次に,北京の三味書屋という老舗民営書店の願望と模索,およびそれらを阻む障害に焦点をあて,中国における「市民的公共圏」の実践的・理論的課題の一端を明らかにする。最後に,中国の憲法学がそれら課題にどのように応答できるのかについて再度検討を試み,中国における「市民的公共圏」の可能性を展望する。  従来,中国(中華人民共和国)において,言論空間の創出は,「人民の国家」としての政府の役割であり,それが,結果として,国家による言論空間の独占を生み,人権抑圧の要因となってきた。1988年5月に開業した三味書屋は人々の知的欲求に応える経営を行い,「毎週講座」等の催しを通して人々の「交流」の場を提供した。これらの試みは公共圏の創出・発展を目指したものであったと評価できる。これら三味書屋の活動,中国の公共圏の発展にとって,障害となったのが,中国政府・共産党による干渉・抑圧(前門の虎)であり,さらには新自由主義経済の跋扈とインターネット社会の到来(後門の狼)である。こうした状況を前にして,「国家と個人の二極対立」という構造の実現を喫緊の課題とし,「民主よりも自由・憲政を」という選択を説く中国憲法学(の主流)は,当面,当局の干渉・抑圧を排除し「自由」を確保するにあたっての理論と制度的枠組み(自由主義的な公共圏の構築)しか提示できないだろう。}, pages = {193--221}, title = {公共圏(公共空間)と中国憲法学 : 北京・三味書屋の試みに注目して}, volume = {52}, year = {2018}, yomi = {イシヅカ, ジン} }