@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00013521, author = {安藤, 和弘}, journal = {人文研紀要}, month = {Sep}, note = {application/pdf, 本稿の主たる関心は,『わたしたちが孤児だったころ』においてカズオ・イシグロが,リアリズムから幻想世界へと読者の読みを誘導するために仕掛けた,いくつかのかたちの語りの歪みを考察することにある。物語前半のリアリズムと後半の幻想性が乖離を起こし,全体としてまとまりを欠いているかに思えもするため,この作品は,イシグロ作品群の中で高く評価されることはあまりない。しかし,そのような二分法にはイシグロはそもそも関心がないのであって,この作品を正当に評価しようとするのであれば,我々が着眼すべきは,それまでの作品群と同様であるが,彼が緻密に独自の言語世界を構築する様子である。本稿では,テーマ批評は関心の圏外とし,イシグロのテクストに密着しながら,そこにどのような語りの装置が仕組まれているか,それらは読者の読みをどう誘導する効果があるのかを検証する。  物語のほぼ後半に相当するPART IV からPART VII までを考察の対象とする。}, pages = {209--240}, title = {カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』―語りの歪みの考察(上海時代)}, volume = {98}, year = {2021}, yomi = {アンドウ, カズヒロ} }