@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00013649, author = {広岡, 守穂}, issue = {7}, journal = {法学新報}, month = {Jan}, note = {application/pdf, 吉屋信子は一九三〇年代から六〇年代にかけて女性に絶大な人気を誇った流行作家だった。吉屋信子が女性に人気があった理由は、長谷川伸の股旅ものが国民に支持されたのと似ている。長谷川伸は義理人情をえがいたが、吉屋信子もまた、女の義理人情をえがいたのである。  佐藤忠男は長谷川伸について次のように述べている。長谷川伸は義理人情に生きるやくざを好んで描いたが、彼が大衆に支持されたのは、ヒーローが妻子や恋人のためにたたかったからである。日本大衆文化に登場するヒーローは主君のために命をかけても妻子や恋人のために命を賭けることはなかった、と。  吉屋信子の小説では、ひとりの男を愛するふたりの女が、最後には深く結ばれるという結末のものが少なくない。彼女の声価を確立した『良人の貞操』、それに続く『家庭日記』、晩年の名作『安宅家の人びと』などが、そういうパターンである。登場する夫たちは、おしなべて、有能だが社長や主のためにつくすタイプであり、愛する女のためにたたかうタイプではない。女が本当にいきいきと生きるためには同性のきずなが必要なのだと、吉屋信子は主張するのである。}, pages = {691--716}, title = {吉屋信子における女の義理人情}, volume = {123}, year = {2017}, yomi = {ヒロオカ, モリホ} }