@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00015978, author = {広岡, 守穂}, issue = {1-2}, journal = {法学新報}, month = {Apr}, note = {application/pdf, ものづくりに対する敬意のこもった視線は産業社会の活動をささえる基本的な価値観のあらわれであるとともに、民主主義の基盤をなす価値観のあらわれでもある。それはすべての人の自己実現を尊重する考えにつながるからである。  阿部次郎に代表される人格主義は人格の完成をうたい、大正デモクラシーの思想的基盤となった。しかし阿部には、すべての人びとの自己実現を同等に尊重する意識はなかった。その点では与謝野晶子がぬきんでていた。  ものづくりに対する強い関心を創作活動の原動力としたのは大衆小説作家の白井喬二であった。その点、白井は異色の作家だった。白井の小説、大衆文学論、社会活動は、ものづくりの尊重によってつらぬかれている。  人格の完成と自己実現は、日常の職業活動を重視するかしないかによって区別することができる。近代日本文学において自己実現を重視したのは、純文学ではなく大衆文学であった。その萌芽は政治小説にみられるが、なによりもものづくりを継続的にとりあげつづけた白井喬二の存在がきわめて重要なのである。}, pages = {407--439}, title = {白井喬二の面目 : 大衆小説のなかのものづくり}, volume = {124}, year = {2017}, yomi = {ヒロオカ, モリホ} }