@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00016007, author = {隅田, 陽介}, issue = {1}, journal = {比較法雑誌}, month = {Jun}, note = {application/pdf, アメリカ合衆国においては,「犯罪被害者権利法(Crime Victims’ Rights Act)」によって,「完全かつ時宜を得た被害弁償を受けることができる」ということが被害者の基本的な権利の一つとして保障されている(18 U.S.C. §3771(a)(6))。これは,州においても同様であり,現在では,すべての州において被害弁償を受けることが法律上の制度として確立している。この被害弁償に関しては,通常は,自らに落ち度のない被害者が加害者に対して請求するということが前提となっていると考えられる。しかし,場合によっては,被害者の方に落ち度,すなわち,過失があるというような場合も考えられなくはない。こうした場合には,裁判所が被害弁償の可否に関して判断する際に,被害者の過失を考慮することが許されるのか,見方を変えれば,被害者は自らに過失が認められても被害弁償を満額で受け取ることができるのか,それとも,過失の割合に応じて減額されるのかという問題が生ずる。このことが問題となったのが,ミネソタ州におけるState v. Riggsである。本稿では,同判決を題材としつつ,被害弁償の可否について判断する際の被害者の過失の取り扱いについて検討してみた。  そして,結論として,①被害弁償というものが,元々は,被害者に対して金銭的な弁償を認めることによって,可能な範囲で被害を原状に回復させるということを目的としたものであること等に鑑みるならば,被害者が自分の方から負傷や損害の原因となるような一連の行為を引き起こしている場合でも,当該被害者に対して完全な被害弁償を認めることは,むしろ被害弁償の目的に添わず,公正の観点に立ち返ってみても適切ではない,②被害者の過失にも様々な程度・内容があると考えられるが,少なくとも発生した損害の実質的な原因が被害者の過失にあると考えられるような場合には,被告人に対しても公正を保障するために,裁判所がこれを被害弁償の可否に関する検討項目とすることは許されるのではないかということを指摘した。}, pages = {177--207}, title = {被害弁償の可否について判断する際の被害者の過失の取り扱い}, volume = {55}, year = {2021}, yomi = {スミタ, ヨウスケ} }