@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00016848, author = {袴田, 兆彦}, issue = {54}, journal = {経済研究所年報}, month = {Sep}, note = {application/pdf, ケインズ『一般理論』には物価の決定論がないという誤った解釈によりフィリップス曲線が採用されたが,実際には『一般理論』にはこれとは異なる物価決定論が存在した。本稿では,『貨幣改革論』の現金残高方程式から実質残高方程式を経て『貨幣論』の基本方程式に至る過程を追うことで,ケインズは貨幣の一部が支出されずに手元に残る経済を考えていたこと,また,『貨幣論』に至る過程でマーシャル流の価格理論から離れてビジネス界に広がっている価格決定方式を採用し,基本方程式という形でいったんは価値の理論と物価の理論の統合が図られたであろうことを示した。しかし,その後,カーンの説得によりケインズはこれを放棄し,『一般理論』では古典派第1公準を受け入れることで最終的に貨幣数量説から脱却し,産出量と物価は供給曲線に沿って同時に決まることとなった。そのためにはビジネス界の見解という現実的な要素を放棄する必要があったが,ケインズにとって最も重要なことは貨幣の作用が経済にもたらす影響であった。}, pages = {161--181}, title = {価値の理論と物価の理論との関係 : 『貨幣論』の基本方程式についての一試論}, year = {2022}, yomi = {ハカマタ, ヨシヒコ} }