@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00017808, author = {安藤, 和弘}, journal = {人文研紀要}, month = {Sep}, note = {application/pdf, 本稿の主たる関心は,『充たされざる者』においてカズオ・イシグロが,混沌と不条理に満ち,長大でもある作品テクストに施した語りの技法とそれに起因する歪みを精緻に考察することで,表向きの物語とは別様の物語が見えてくる様子を浮き彫りにすることである。前作『日の名残り』までのリアリズム枠内で概ね鑑賞できる三作品とは異なり,この作品は幻想性が実験的なまでに高く,リアリズムは片鱗もないため,イシグロ批評においてはあまり高く評価されない傾向がある。しかし,リアリズムにはイシグロはデビュー当時から関心がないのであって,この作品においてそれまで潜在的であったものが顕在化しただけである。この作品を正当に評価しようとするのであれば,我々が着眼すべきは,それまでの作品群と同様であるが,彼が緻密に独自の言語世界を構築する様子である。本稿では,テーマ批評は関心の圏外とし,イシグロのテクストに密着しながら,そこにどのような語りの技法が施されているのか,それらは読者の読みをどう誘導する効果があるのかを検証する。本稿ではPART I を考察の対象とし,その先の考察は別稿において行う。}, pages = {29--60}, title = {カズオ・イシグロ『充たされざる者』―語りの歪みの考察( 1 )}, volume = {101}, year = {2022}, yomi = {アンドウ, カズヒロ} }