@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00018048, author = {鈴木, 優}, issue = {3}, journal = {比較法雑誌}, month = {Dec}, note = {application/pdf, 近時,英国最高裁判所は,ルーマニア・スウェーデン投資協定に基づく投資仲裁で勝訴した投資家が英国でその投資仲裁判断の執行を求めた事案(Micula事件)において,ルーマニアによる当該仲裁判断の履行がEU法上の国家補助規制に抵触するか否かの審理が欧州司法裁判所に係属中であったにもかかわらず,その執行を認める判決を下した。本件事案は欧州司法裁判所に係属中の事件について英国国内裁判所が欧州司法裁判の判断を待つべきか(EU条約第4条3項の誠実協力義務の程度と範囲の問題),EU法上の義務とICSID条約上の仲裁判断執行義務のどちらが優先されるべきか( EU法と投資保護法との抵触),及び英国のEU加盟前に締結した条約に基づく義務の効力(EU運営条約第351条の解釈)などの重要な問題を包含し,それ故,本件判決は英国のEU離脱後の英EUそれぞれの法運用の自律性の視点から大きなインパクトを持ち得る判決である。  本件において,英最高裁は,英国がEUに対する誠実協力義務を一定の範囲で負うことを認めつつ,ICSID条約に基づく投資仲裁判断の執行義務との抵触を回避するため本件投資仲裁判断の執行停止の解除を認める立場を採用した。他方,EUは,本件判決がEU法体系との矛盾を来すことになり得ることを理由に当該判決を容認しない立場を表明している。この点で本件判決は,EU離脱後における英国の自律的な法運用の「回復」とEU法の自律性の確保の要請との間での鋭い緊張関係の文脈の中に位置付けられるべき事象の一つであろう。  本稿は,英国のEU離脱以降の英EU双方の法体系の自律的運用への志向の観点から,本件英国最高裁判決におけるEU条約第4条3項所定の誠実協力義務の位置付け及びICSID条約上の義務との関係について検討し,併せて,近時問題となっているEU法と投資保護法との抵触についても若干の検討を加えるものである。}, pages = {171--189}, title = {英国のEU離脱後における英国法とEU法との「相克」 : 英国の自律的な法の解釈・適用の視点からみた近時のMicula事件英最高裁判決の考察}, volume = {56}, year = {2022}, yomi = {スズキ, マサル} }