@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:02000238, author = {OKADA,Tomohiro and 岡田,知弘 and オカダ,トモヒロ}, journal = {経済研究所 Discussion Paper, IERCU Discussion Paper}, month = {Oct}, note = {application/pdf, 本論文は、現代企業制度研究部会の公開研究会などで筆者が発表した講演を出版を予定している『グローバリゼーションの転機と地域通貨の新展開:地域経済社会の活性化と金融的取組みの新動向』に収録予定の論稿であり、まずはディスカッションペーパーとして公刊しようとするものである。  本論文は、タイトル、副題に示されている通り、地域経済の活性化について、「地域とは何か」から説き起こし、戦後日本の地域経済を資本蓄積がもたらす重化学工業化、都市と農村の不均等発展、経済循環の遮断、産業空洞化、東京一極集中などの不均等発展過程として振り返るとともに、それに対応した「平成の大合併」、道州制導入論に示されるような「グローバル国家づくり」に沿った自治体の行政領域の再編が多国籍企業などの利害に沿った選択と集中の結果、「人間の生活領域」をはるかに超える自治体再編を生み出しており、これが高齢化や気候変動と相まって命と暮らしを巡る問題にまで直結している。このような中地域経済や社会の持続可能性を具体化する視点として、地域内再投資力・地域内経済循環の重視の視点を提起している。  具体的に地域内再投資とは、特定の地域の範域において、まとまった投資が繰り返され、地域内での雇用や所得、そして生活が再生産されることであり、投資・雇用主体には民間企業や協同組合、NPO法人に加えて、医療機関や福祉施設、農家、地方自治体も含まれ、自己資金、補助金、融資、そしてクラウドファンディングからなる総投資額の量的・価値的側面だけでなく、それを可能とする当該地域の経営体がもつ技術力、生産能力、マーケティング力、経営管理能力等の質的・素材的側面からなる使用価値側面も強調されている。  また本論文では、地域経済を活性化のカギとなるもう一つの視点である地域内資金循環が、第二次安倍政権の地方創生政策で利用された分析システムで、地域外への移出を過度に強調する「稼ぐ経済」部門づくりを強調している「地域経済分析システム」(RESASについての批判を交え、またアダムスミスの重商主義批判、マルクスの富の増殖理解を引きながら、地域に内在する付加価値と投資・雇用・所得の地域内循環重要性、すなわち内生的経済発展のメカニズムの本来の姿を強調している。 とりわけ付加価値が域外移出・外国貿易だけで実現できるわけではないこと、単純に地域に参入する企業、観光者、政府の補助金などの投入額と域外流出の差額をもとめ、漏出する経済的富の最小化のみを強調すっる「漏れバケツ」理論を批判しつつ、地域における消費者の所得・年金支出を起点とする企業・農家による市場形成を通じた再投資循環が強調され、同時に外部からの進出企業に対する地域経済攻堅の必要も強調されている。 最期に本稿では、地域内経済循環の付加価値の素材的側面に触れ、循環を構成する農林水産業、製造業、サービス業、、利益・利潤を求める貨幣・資本の循環、住民の消費活動に代表される生活維持循環、そして地域産業・生活の基盤持続という包括的な視点から捉え、自治体を含む活動の重要性を、北海道帯広市や京都府の事例を交えて強調され、最後に地域通貨の可能性について、市場取引がなされない地域経済振興、NPO支援、国土保全、人々の間の助け合いに対する支払手段としての役割がドイツのキムガウアー、大分県の湯布院のyufu、飛騨・高山・白川郷での飛騨信組のさるぼぼコインの意義にも触れ、情報管理に係るビッグデータ問題や東京のプラットフォーマーへの収益集中問題へ社会的規制の必要性についても言及されている。 本稿は、岡田氏による刻々変化する現状認識を交えた業績の集大成でもあり、冒頭に述べたシリーズの一環として不可欠で重要な構成要素をなす論稿である。}, title = {地域経済の「活性化」と地域内再投資力・地域内経済循環 ―現代日本における地域通貨の可能性―}, volume = {392}, year = {2023} }