@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:02000386, author = {彭,浩 and ホウ,コウ and PENG,Hao}, journal = {人文研紀要}, month = {Sep}, note = {application/pdf, 茶の湯の歴史において,茶の空間での茶掛として「唐絵」は欠かせないものであり,日本文化の中で大きな役割を果たしてきた。近年,展覧会の形で茶の湯における掛物としての中国絵画,特に「茶の美術」としての中国の宋元画が紹介されて,再び注目されるようになった。宋元の絵画は,室町時代に足利将軍たちによって日本にもたらされ,「東山御物」として保存され,当時の将軍家の会所や茶席の床の間に掛物として用いられた。  本論文は,三つの特別展に出陳された中国絵画を通して,茶の湯と中国絵画の関わり,特に茶掛としての宋元画の美について究明した。東山御物の唐絵は,宋徽宗の絵画をはじめとした宋代の山水花鳥画と禅僧が描いた禅宗絵画の二種類に分けることができる。徽宗の絵画を選んだ理由の一つは,徽宗皇帝の権力と絵画の美への足利義満の憧れと思われ,南宋絵画については,将軍とその周りの同朋衆たちが,掛物として絵を選んだと考えられる。彼らの美意識によって,床の間飾りの基本となる掛物・花瓶・香炉の三点セットや各種の唐物漆器,天目茶碗などの組み合わせが定められ,茶の空間に飾るようになった。彼らは当時最高の唐物を収集し,その唐物を用いて日本的な美的空間を作り上げたのである。  東山文化によって作られた美意識は,室町以降の日本美術と日本の伝統文化の一つの基準になり,その美意識と伝統は,茶の湯の世界で継承されてきた。今日,宋元の美が再び注目され,話題になっているのは,現代人が心の拠り所を大自然と響き合う宋代の絵画に求めているからであろう。}, pages = {199--236}, title = {伝統文化における中国絵画の美 : 茶掛の宋元画を中心に}, volume = {105}, year = {2023} }