@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:02000613, author = {廣岡,守穂 and ヒロオカ,モリホ and HIROOKA,Moriho}, issue = {9}, journal = {法学新報}, month = {Mar}, note = {7世紀以来,ながい間,日本人の知的な営みに,もっとも大きな影響を与えてきたのは仏教だった。仏教は,形而上的な世界観,倫理道徳,土木建築や医学や美術工芸に関する技術や科学的知識,社会福祉はじめ,広汎な知識と思想をともなっていた。  空海の『三教指帰』は儒仏道3教を比較して仏教の優位性を認め,『十住心論』は病気の原因の考察から書き起こされている。そのことは仏教思想の特徴をよく物語っている。  ところでA.N.ホワイトヘッドは科学者は往々にして宇宙を歪めてとらえるとし,詩人のほうがしばしばその本質を正しく把握すると主張する。たしかに天動説がいかに精緻な理論に発展しても,そこから地動説は生まれない。自然科学の発達は実証主義ではなく直観によるのである。仏教にも直観を強調する性格があったが,仏教はそれを自然科学の方向に働かせることはなかった。  江戸時代になって医師が蘭学を受容する窓口になるが,それまでは,自然科学的な知見を開拓する基盤を持っていたのは仏教であった。}, pages = {407--433}, title = {仏教について}, volume = {128}, year = {2022} }