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  1. 大学院研究年報 文学研究科編
  2. 第54号

「銀の匙」の評言と受容の一斑 : 『東京朝日新聞』掲載から岩波文庫解説まで

https://chuo-u.repo.nii.ac.jp/records/2002367
https://chuo-u.repo.nii.ac.jp/records/2002367
967944a9-61d2-4ae7-9575-01166f0127b9
名前 / ファイル ライセンス アクション
2435-8339_54_1015-1029.pdf 本文を見る (510.8 KB)
アイテムタイプ 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1)
公開日 2025-05-16
タイトル
タイトル 「銀の匙」の評言と受容の一斑 : 『東京朝日新聞』掲載から岩波文庫解説まで
言語 ja
タイトル
タイトル Part of the Evaluation and Reception of “the Silver Spoon" : From "Tokyo Asahi Shinbun" to the Commentary of “Iwanami Bunko”
言語 en
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_6501
資源タイプ departmental bulletin paper
著者 田井, 康平

× 田井, 康平

ja 田井, 康平

ja-Kana タイ,コウヘイ

en TAI,Kohei

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 中勘助の小説「銀の匙」が連載された『東京朝日新聞』(以下、『東朝』)は、大阪の小新聞である『大阪朝日新聞』(以下、『大朝』)が星亨の政党新聞を買収することで誕生した。日露戦争後の経営難から『東朝』は、民衆に新しい風を吹き込む立役者として夏目漱石を社に迎え、以後漱石は同新聞の顔として小説の連載や文芸欄を主催した。
漱石は新人作家の発掘にも力を入れて、多くの小説を推薦し、勘助の「銀の匙」もその流れのなかで登場した。若手の小説を掲載するにあたって漱石は、作家紹介と小説の意義などをまとめた序文を執筆しており、それは彼らにとっての強い後ろ盾の役割を担っていた。しかし、「銀の匙」連載時は漱石が入院したためにその後ろ盾を得られず、小説予告で自身の小説のアピールも十分に行えないまま、「行人」の連載中断と同時に急遽連載が開始されることとなってしまう。そのため、勘助がのちに〈音も沙汰もなかった〉と振り返るように、新聞連載中は評判になることがなかったようである。
また、単行本出版時にはすでに漱石が亡くなっていたため「銀の匙」は、他の『東朝』で連載した新人作家の小説のように、漱石の序文を収録することも叶わなかった。そこで、代わりに収録されたのが漱石の亡くなった翌年に「三田文学」へ勘助が寄稿した「漱石先生と私」である。「漱石先生と私」には、漱石との思い出が回想されているが、あわせて「銀の匙」に対する様々な漱石の評価も含まれており、これを収録することによって結果的に他の新人作家の小説と同じように漱石の名を借りた箔付けがなされる形となった。
その後、昭和一〇年には岩波文庫版が刊行され、和辻哲郎による解説が付された。最初の「銀の匙」の評価とされているこの和辻の解説は今日においても、定評と見なされる傾向にある。しかし、その文章を検討してみると「漱石先生と私」における漱石の言葉を踏襲するものとなっており、実際は勘助の手によって書かれた内容が、第三者を介して漱石による評価として語られる、という形になっているのである。この他、単行本刊行時の広告文も「漱石先生と私」と似通った表現が用いられている。追悼文「漱石先生と私」は、当然生前の漱石の逸話が語られた文章として読まれるが、そこに「銀の匙」を評価する漱石の描写が含まれることで、読み手が「銀の匙」を漱石も認めた作品であると鵜呑みしやすい状態を生み出していたと見ることもできる。
そして、岩波文庫版以降では、和辻という第三者によって、「銀の匙」は漱石も高く評価した小説だと再度語り直されることで、読者がこうした「銀の匙」の表現を自然に信じてしまう状態が強められたのである。
言語 ja
内容記述
内容記述タイプ Other
内容記述 査読付論文
書誌情報 ja : 大学院研究年報文学研究科篇

巻 59, p. 1015-1029, 発行日 2025-02-20
出版者
出版者 中央大学大学院研究年報編集委員会
言語 ja
ISSN
収録物識別子タイプ ISSN
収録物識別子 2435-8344
権利
権利情報 この資料の著作権は、資料の著作者または学校法人中央大学に帰属します。著作権法が定める私的利用・引用を超える使用を希望される場合には、掲載誌発行部局へお問い合わせください。
言語 ja
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
出版タイプ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
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Ver.1 2025-05-23 04:06:16.596641
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