@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00006706, author = {菅沼, 真也子}, issue = {4}, journal = {比較法雑誌}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 背任罪は,行為者の主観面として,故意と図利加害目的を必要とするところ,わが国の議論状況を見ると,図利加害目的は背任罪に特有の要件として条文上明示されており,特別の主観的要素としてその内容を特に定義づけることが必要であるために,図利加害目的が中心的な議論の対象となっているのが現状である。わが国の判例においても,たとえば,東京相互銀行事件,平和相互銀行事件,イトマン事件の最高裁決定において,第三者に利益を与え銀行に損害を加える認識認容があり,かつ,銀行の利益を図る目的がなかったことをもって,第三者図利目的と加害目的を肯定されており,行為者の主観面を認定する際に,故意に言及することなく図利加害目的を判断しているものが多く見られるように思われる。もっとも図利加害目的は主観的違法要素であって,故意とは別個の要件であるため,まず第ーに,行為者に故意があることが認められる必要があろう。財産上の損害についての認識は,故意を肯定するために必要な要素であって,このような認識があったからといって,図利加害目的が認められるわけではないからである。その意味で,背任罪においても,図利加害目的とは異なる故意が必要となるのであり,故意を肯定するために必要な行為者の認識内容が問題となる一場面といえる。本稿は,ドイツにおける背任事例を参考にして,背任罪の損害概念から生じる故意概念の問題を検討し故意に意思的要素を必要とするならば,財産的危殆化の可能性を知っているだけではなく,損害の現実化についての認識がなければならず,これについて少なくとも是認があれば,未必の故意が認められると考える第2刑事部の見解が,背任罪の故意にとっては有益な基準であって,わが国の背任罪の要件に関しても参考になる議論であると考えるものである。}, pages = {283--309}, title = {ドイツ判例に見る背任罪の故意}, volume = {46}, year = {2013}, yomi = {スガヌマ, マヤコ} }