@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00007962, author = {ヘルムス, トビアス}, issue = {3}, journal = {比較法雑誌}, month = {Dec}, note = {application/pdf, 日本法,ドイツ法及びフランス法は,代理懐胎に否定的な姿勢をとっている。しかし,これらの3か国は,自国民が規制の緩やかな国に赴いて代理懐胎により子を得るという事案への対応を求められるようになってきている。通常の場合,親となることを希望する者(依頼者)らを法的な親として記載した出生証書が出生国の官庁から発行される。代理懐胎が自国の価値基準に反するにもかかわらず,そのような身分関係が内国で受け入れられることがあってもよいのかどうか。これが本稿で扱われる問題である。これまで検討対象の3か国は,特に公序を道具として,内国での代理懐胎禁止に違反する身分関係設定を阻止しようとしてきた。  ところが最近になって,フランスとドイツには方向転換の流れが出てきた。2014年6月26日に,フランスが2つの裁判において,欧州人権裁判所で敗訴したからである。敗訴の理由は,フランスの官庁と裁判所が,2件のアメリカの裁判の承認を拒否したことにある。そのアメリカでの裁判は,アメリカ合衆国で代理懐胎者から生まれ,遺伝的には父親希望者からの出自を有していた子について,親希望者らをその法的な父母として確定したものであった。フランスの裁判所が遺伝的な父の法的父性の承認を拒絶したことが,欧州人権裁判所によって欧州人権条約8条の私生活及び家族生活に対する権利の侵害であると評価されたのである。  この欧州人権裁判所の裁判は,ヨーロッパにおいてほぼ間違いなく法の歴史を記すであろう。これらの裁判は代理懐胎ツーリズムの増加をもたらすであろう。ヨーロッパにおいては,親となることを希望する者たちが母国において法的親として承認される難しさは,今後は小さくなるであろう。ただし,代理懐胎の事例において,外国法による身分関係設定を承認する義務がどこまで及ぶのか,親希望者らからの遺伝的出自などがどのような役割を演ずるのか,そして適用される身分関係設定の規則が父と母とで違ってくるのかといった問題の詳細は,これら2つの裁判ではまだ明らかにされていない。}, pages = {81--102}, title = {代理懐胎:生殖ツーリズムと実親子法}, volume = {48}, year = {2014}, yomi = {ヘルムス, トビアス} }