@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00007997, author = {西村, 暢史}, issue = {2}, journal = {比較法雑誌}, month = {Sep}, note = {application/pdf, 本稿は,海外で事業展開を行っている日本企業が理解すべき海外競争法として,まず,シンガポール競争法の執行状況(中でもペナルティーとしての制裁金算定手法)を整理検討するという特徴を持つ。シンガポールの競争当局による直近2件を見ると,いずれも世界的に競争法の審査対象となった国際カルテル事件であり,シンガポール競争法違反に基づいた制裁金(Fine)の賦課を日本企業が受けた事案である。また,国際カルテル事件(特に,同法に違反すると認定されたカルテル合意は日本(シンガポール国外)において行われたものであることからも,域外適用)に対するシンガポール競争当局(CCS)の積極的な競争法執行と表現されている。  そして,シンガポール競争法に基づく制裁金算定に対して日本企業が認識すべき点としては,日本企業にとって大きな影響を与える競争法違反行為に関連する売上高の範囲確定である。  すなわち,①ベアリング国際カルテル事件では,違反行為者の自社商品の取引先である流通業者を介して最終的に輸出品となる場合の当該輸出品に関する違反行為者の売上高が「一定の場合」において制裁金の基礎額を形成する売上高に含まれることが確認された。そして,②航空サーチャージ国際カルテル事件では,複数の競争制限的合意の各々の対象商品等の価格について,これらの価格が当該商品等群全体の価格から分離不可能な状態で顧客が支払いを行っている場合,当該商品等群全体への影響を問うことが確認された。  このように,シンガポール競争法における制裁金算定の基礎となる関連売上高の範囲については,その根底に,競争制限的合意の影響が及ぶ範囲としての関連市場があると考えられる。国際カルテル事件に対するシンガポール競争法の執行状況からは,制裁金算定と市場画定の関係性についての議論を確認することができる。}, pages = {39--64}, title = {日本企業と海外競争法(1) シンガポール競争法と国際カルテル}, volume = {49}, year = {2015}, yomi = {ニシムラ, ノブフミ} }