@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00008816, author = {ベック, スザンネ and 只木, 誠 and 谷井, 悟司}, issue = {2}, journal = {比較法雑誌}, month = {Sep}, note = {application/pdf, 本稿は,「過失解釈における民間規格の意義」と題して2016年3月27日に行われた講演の翻訳であり,製造物責任事案における製造者の過失責任を検討するにあたってISO規格やDIN規格といった民間規格が有する意義を明らかにすることを通じて,刑法と経済の交錯領域における法解釈の在り方を探求するものである。本稿の筆者であるBeck教授の分析によれば,製造物責任の文脈において,過失責任の前提となる注意義務と経済取引の基礎をなす民間規格とは,製造物の消費者・利用者といった第三者の生命・身体に関する法益侵害のリスクを最小化する点で互いに共通していることから,民間規格の違反は注意義務の違反を徴表しているという。しかしながら,民間規格は製造者による商品の製造・販売の効率化や利潤の追求といった経済活動の保護をもその目的としており,この点で刑法上の注意義務とは異なるものであることから,このような徴表効果は必ずしも常に肯定されるものではなく,これが否定される場合もあるという。このような場合には,注意義務の標準を民間規格に求めることができないため,注意義務を設定し,その違反を判断する新たな解釈指針が必要となる。そこで,商品の安全と経済取引の保護がともに要請される製造物責任事案において製造者の注意義務違反を判断するにあたっては,これらの要請にみられるような刑法と経済とがそれぞれ有する論理に十分留意しつつ,両者を互いに調整・統合することで,経済の論理を刑法解釈へと組み込むことが必要であり,このような法解釈が経済と刑法の交錯領域において望ましいものであると,筆者は主張する。くわえて,本稿では,規格をはじめとする技術的規則の違反を構成要件要素とするドイツ刑法319条(建築の危殆化の罪)についても若干の言及がなされている。  このように本稿は,製造物責任を素材に民間規格と注意義務との関係性を検討しており,この点,製造物責任について近年議論が盛んに交わされている一方で,刑法外の義務と刑法上の注意義務との関係性についてはあまり議論がみられないわが国の状況に照らしても,示唆に富むものといえよう。}, pages = {117--140}, title = {過失解釈における民間規格の意義}, volume = {50}, year = {2016}, yomi = {タダキ, マコト and タニイ, サトシ} }