@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00008975, author = {広岡, 守穂}, issue = {11・12}, journal = {法学新報}, month = {Mar}, note = {一八九〇年代から一九三〇年代にかけて、恋愛小説にあらわれる恋愛観は、未婚男女の自由な恋愛の否定から、第一次大戦後、恋愛の肯定へ、そして三〇年代には女性の自立の肯定へと変化した。デモクラシーの基礎は、恋愛小説にみるかぎり、一九三〇年代に形成されていたのである。  しかしその一方で時代小説をみると、官僚的セクショナリズムやテロリズムの温床になる武士の行動様式がえがかれている。それは三〇年代における軍国主義の抬頭を予言するかのようである。  哲学者の和辻哲郎は、つとに国民道徳論の批判というかたちで、被治者の献身を強調するような道徳思想の危険性について論じていたが、和辻の批判したような武士の道徳が、時代小説の中ではしきりに賛美されたのであった。  第二次大戦後、日本は民主化するが、デモクラシーに親和的な意識は、三〇年代にすでに国民の間に広がっていた。恋愛小説はそのことを象徴しているといえるが、他方、それとはうらはらに、政治行動の基礎をなす道徳意識は、派閥徒党やテロを助長するものであった。時代小説はそれを反映している。}, pages = {115--144}, title = {恋愛小説・時代小説・デモクラシー}, volume = {122}, year = {2016}, yomi = {ヒロオカ, モリホ} }