@article{oai:chuo-u.repo.nii.ac.jp:00009359, author = {戸口, 日出夫}, journal = {人文研紀要}, month = {Sep}, note = {application/pdf, 1902年にパリで作られたリルケの詩「秋」では生あるものすべての凋落の主題を伝える。彼にとって死は理性の把握を超える超越的な領域であった。同様に彼は運命を,先立つヘルダーリンのように,そのような力として認識した。それに対してドイツ古典主義のゲーテは運命を克服する崇高な人間性を称揚し,前二者と対比される。さらにリルケには超越の第三のカテゴリーとして詩「秋」の「一者」から晩年のオルフォイスにいたる超越者の系譜がある。彼は無常の人間の生と死に最終的な意味を与えるためにオルフォイスという存在を構想した。その「疑似神話」は時代の救済願望の一形態であった。  一方,死と運命にさらされて旅するメルヒェンの主人公たちは超越的な「贈り物」を受けて成熟する。彼らは自然本性的な内在と導きという超越との妙なるアンサンブルを生きる。だが,彼らはそもそも大きな存在の秩序のうちにあり,その恐ろしくも美しい領域へと自己を開き他者と出会うpietas を生きる。リルケにも類似した開きが見られる。そのような超越の神秘はパスカルの「第三の秩序」,至高の超越的次元でありながら,人間内部に深く内在化される次元につながっている。}, pages = {93--117}, title = {文学に見る内在と超越 ―リルケとメルヒェンを中心とする若干の省察―}, volume = {89}, year = {2018}, yomi = {トグチ, ヒデオ} }